CISの真似をして株のトレードをしたところで、死す

CIS株の本 投資のヒント
CIS株の本

CISの株の本を読んで思ったこと


数年前の私がこの本を初めて読んでいたら、今とは違う感想を持っただろうな。

よっしゃー!真似すれば、おれでも稼げるぞ!

勿論、ある程度の謙虚さは自信過剰の自分でも兼ね備えているので、同じ額を稼げるとは思わない。

でも、デイトレの積み重ねで、CISの稼いだ23,000,000,000円の1/1000くらいは稼げるだろうと思っただろうな。

そんなくらいはいけると思う人は結構いるんではないかと思う。特に男の初心者には。

実は今でもそれくらい(2千万円くらい)は相場で稼げるとは思っているけれど、デイトレでは絶対に自分には無理と言い切れる。

私はラッキーパンチで200万稼いだところで、数か月後には200万以上負けているだろうな。予想には自信ありだ!経験済みなのでね 苦笑。

最近はYouTubeでデイトレの収支を継続して報告しているユーチューバーが結構いるので参考になるが、百万円以上勝ち越した月があっても、その後、結局はそれ以上負けている人が多いよね。

笑っていいとも!に出演した昔のCIS

このYouTubeの動画で、笑っていいとも!に出演した昔のCISが見られる。

同じ立ち位置にいる芸人なのに、ザキヤマは仕事をまっとうしているが、又吉は座っているだけというのが気になる。

綾部が高い買い物の予想として「島的な、星とか」と言っているのも気になった。島は買えても星は買えないだろうに。あれはマジでそう思って言っていると思う。

いずれにせよ、CISは何処にでもいそうな普通の青年という感じが動画からは伝わるだろうが、超一流の博徒だ。

特に負けた時の損切がかなり上手い。天性の資質で、バイアスを制御出来るのか、生まれながらにバイアスの度合いが低いのかもしれない。

普通の人は損失回避バイアスの考察|大きく負けて小さくしか勝てない理由に書いた理由で損切が遅れるものだから。

ということで、CISの真似をしてデイトレをしたところで、死す。と言葉遊びでタイトルを付けたけれど、失敗する人が多いんではないかな。

結局バイアスには勝てないから。

私はバイアスを意識して相場に向き合ったけれど、どうしても越えられない壁があった。

だけれども、時間軸を分足から日足、週足のトレードに延ばすと、瞬間の判断で戦うデイトレでは出来なかったバイアスとの折り合いをつけることも私にはできた。だから、CISの真似は出来なくても、CISの考え方をマネーゲームに活かすことは出来ると思うので、幾つか本の中から彼の言葉を拾ってみるので、みんなのトレード戦略の一助になればと思う。

CISの株の本から引用する投資へのヒント

CIS本人が書いた一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学からの引用だ。

メディアはかなりいい加減

本当だよなぁと同感した一節に、マスコミは信じるなというのがあった。

とある大型の銘柄が大きく値を下げた日に、CISが売買高の数十パーセントの損切の売りを出したから下げたのに、マスコミはまったく違う理由で下げたと記事を書いていたというエピソードがあった。

マスコミは後付けで記事になるように理由を探していることが多々あるし、株価予想の記事ではあんなに自信満々な書きっぷりだったのに、見事に逆に動くことなんてこともよくある。

そして、その記事を書いた奴が、後日そんな記事書いたこともないような内容の逆側への動きを予想する記事を平気で書いていたりするからね。

私もマスコミ経由の情報が影響して失敗したことがあるので、気を付けるようにしている。

自分で勝てるようになるには、マスコミの記事を読まなくても自分で仮説が立てられるように、手を抜かずに研究することと経験が必要だろうな。

マスコミの情報が役に立つこともあるし、正しい情報もあるわけで。ただ、それを鵜呑みにしてはいけないということかな。

関連記事:ヤフーファイナンス掲示板と確証バイアスの罠

それって、デイトレに限らず、投資や本業において、成長する上では欠かせないことだと思うが。自分の頭で考えることをオミットし続けると、お客さんの域は越えられないだろうからね。

注意として、例えその情報がいい加減だったとしても、大衆やそれを使って仕掛けてきた機関によって大波が押し寄せているならば、逆らわずにポジションを処理したほうがいい場合もあると思うよ。

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相場は仮説を生み出した人が勝つ

相場では一匹目のドジョウがものすごくオイシイ。二匹目のドジョウもいるけれど、三匹目はいるかいないかわからない。    * 「一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学」からの引用

これは金言であって、全てのビジネスに通じることだと思う。

しかし、チャンスを実際に掴むのは難しい。

CISやBNFについて調べたことのある人は誰でも知っているジェイコム株大量誤発注事件についても触れている項目のサブタイトルだが、あのときチャンスを目撃していても果たして自分に買い向かうことができたかどうか?

仕事もせずに一日中PCの前で板に張り付いていれば出来ただろう。と考えるのは自信過剰かもしれない。

当時は、今と違って、証券会社やファンドではAIやアルゴリズムによるプログラム売買が中心ではなくて、所謂ディーラーと言われているプロの相場師達が中心となって、自己の売買をしていたのだった。

果たしてその四六時中トレードのことを考えているディーラーのような専業トレーダーに買えていたかどうか?

私自身は目撃したところで、仮説を立てられたところで、買えなかったと思う。幾ら努力しても、瞬発力勝負ではどうしても遅れを取ってしまう。

CISは長期目線の売買で1,000万円くらい溶かして、短期トレードに手法を変えて100万円くらいから大富豪になるまで積み上げていったそうだ。

そういうことなら、短期トレードで1,000万円くらい溶かしてしまったならば、長期目線の投資に切り替えてみるのも一考ではないかと思う。

先駆者の利益が凄く大きい

例えばユーチューバーで大金を稼いでいる人や(いた人)は、私なんかがYouTubeなんて、音楽のBGMに使うくらいしか気が付かなかった頃に、せっせと土地を買って耕していたわけだ。

初期の頃は簡単に広告が付いたし、ライバルが少ないから視聴者も集められた。

そして、継続していた才能のある人はがっぽりと稼いで、いい位置を確保している。

私は飲食業に身銭を投資する形で関わった経験があるので、経営者の話を聞く機会もあったし、自分でも結構調べたが、場所が凄く大事な要素になる。最近YouTubeで宮迫の焼き肉屋が話題になったけれど、あの場所(家賃も考慮して)で成功するとは思えない。

賑わう場所や家賃が安いけれど客を呼べる場所に出店することが大事だ。

口コミで旨さが広まれば、二等地でも行列を作ることは可能。しかし、それには時間がかかるので家賃が安くて広まるまで待てるということが必要となる。

しかし、旨くてもあまりにも不便だったり、値付けが駄目だと勝負にならないが。

YouTubeも昔はほとんどの人に見向きもされない閑散とした時期があった。その頃は今と比べたら簡単にいい場所が取れたのだ。

でも今はどうか?ライバルが飽和して土地を確保できないし、広告を付けるのにも千人以上の登録者と一定数以上の再生時間が必要だ。

ブログもそういう時期があったそうだ。簡単にアフィリエイトで個人が稼げた時代があった。私は後発組で特化ブログに挑戦したことがあるが、オワコンを痛感した。労力をつぎ込んだのにまったく稼げなかった。時間を金に換算すれば、かなりの赤字撤退ということになる。

仮想通貨や株だってそうだ。

将来の賑わいを仮説で予想し、誰もが見向きをしないような安い時に仕込んで、大きく育つまでじっくりと待っていられた人はひと儲け出来たのではないか。

私にはデイトレで活かせる才能はないが、この考えを長期目線の投資や仕事では活かせる。

一匹目のドジョウのチャンスを掴むには、運も必要だが、その時にチャンスが来ていることに気が付く感性も必要だ。

その感性はやはり経験と努力で磨くものだろう。

先駆者といえば、下の記事で紹介している動画で、ひと昔前にいち早く株の自動売買を開発して取り入れた人が出てくるけれど、ゴルフ場のような庭のある豪邸に住んでいる。

HFTとは?アルゴリズムトレードについての面白い動画の紹介
もう10年近く前に既にこのようなことが起こっていました。この動画は2013年のドキュメンタリーですが、この時代に既に市場の70%は自動売買だと動画の中では言っています。

リスクオンと守備とのバランス

仮説を立てるのには経験と研究が必要だ。

しかし、仮説を立てただけでは1円にもならない。資金を投下して所有するリスクを取らなくては始まらない。

そして、信じて握り続けないと大きく稼げない。

しかし、握り続けることによって退場することもある。

「利大」と「損小」この相反する二つを上手に仕事できる人が、相場で稼げるのではないだろうか。


本を読むとわかるけれど、CISは研究熱心で、その上でデイトレの天才だよ。

順張りを基本とした戦略で大きく稼いできたところあたり、伝説の相場師リバモアに重なる部分も多々あるように思えた。

関連記事:ジェシー・リバモアの22の名言【 原文、和訳、解説 】

諦めも肝心

CISは経営は下手だったと本の中で本人も言っているけれど、IQが凄く高いというわけではないと思う。研究熱心な努力家であって、デイトレ向きの性格なんだよ。

投資で大儲けしたバフェットがCISのやり方を真似しようとしても出来ないだろうな。溶かして終わるだろう。

やってみないと分からないだろうが、向いていないことには、分かった時点で手を引くことだ。

私は途中から向いていないと思いながら、取り返したくて続けていたわけで、投資に必要な忍耐力が足りていなかったと思う。

みんなだって、努力しても大谷翔平のように野球で稼げるなんて思わないだろう。

彼はメジャーリーグの中でも目立ついい体格していて、見た目から叶わないって思うけれど、CISは自分と大して変わらない見た目だったり、学歴だったりだから、頑張って努力したら自分にもできると錯覚してしまうかもしれないが、次元が違う。

兎に角、CISの真似しようなんて思わないこった。努力しても出来ないから。

 

裏話や鋭い視点などが知れて結構面白い本だった。 こちらのAmazon 試し読み で、順張りの項目についてはしっかり書いてあるので、買わなくとも覗いてみるのもいいと思う。

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