疫病神シリーズ「破門」「螻蛄」はマジで面白い!
2015年BSスカパーで放映した連続ドラマで、動画配信サービスで視聴できる「破門」続編の「螻蛄」は文句なく面白い。
私は、はっきりと言うが、同じ黒川博行原作のドラマでも「後妻業」は期待外れもいいところだった。観るに堪えなくて、早送りして、それでも一縷の望みで2話目も見たけれど、破門とのクオリティの差に失望して、停止ボタンを押さざるを得なかった。
映画の方の「後妻業」はまぁまぁだったが。
映画の「破門」も同じキャストでやってもらったら悪くはないのだろうけれど、ドラマとどうしても比較してしまうので、残念に思えてしまう。
私は黒川博行の本は、ほとんど読んできた。中でも疫病神シリーズとワルの元マル暴担刑事堀内と伊達のコンビのシリーズは全部読んでいた。だって面白いのだもの。
本の良さを知っていてからのドラマだから、期待値が上がるのだけれども、この疫病神シリーズ「破門」「螻蛄」はマジで面白い!
ミステリー要素のあるストーリーの面白さがベースにあって、男くささと笑いとアクションのバランスが丁度いい。
ブルースであって、ロックというか、そんな感じだ。
主役の破天荒なヤクザ桑原役の北村一輝が、いい仕事をする。マジでハマリ役である。
建設コンサルタントの二宮役の濱田岳は、私には思いつかないキャスティングだけれども、いい味出している。演技が上手いね。
音楽もいいし、演出もいい。
どのくらいの予算が許されたのかしらないけれど、地上波で観られる連ドラのゴールデン枠でも十分放映できたし、2時間に凝縮すれば、ブイシネマでなくて普通の映画として通用しそうに思う。
関西弁をしゃべりたくなり、ナポリタンを食べたくなる
私は単純なんで、影響されやすくて、このドラマを観た直ぐ後は、イケイケの桑原のしゃべり方がうつってしまうから困る。
会社では言わないようにしているのだけれども、つい、出るときがある。勿論、似非関西弁だ。
思うに、桑原のようにしゃべるのは気分がいいから、私は関西弁は脳にいい影響を与えるのではないかと睨んでいる。
似非関西弁を世間には許容してもらいたいものだ。
正月実家に帰ったときに妹に指摘されたが、批判的な指摘だったのが気になり、その後は控えめにしてはいるのだが、何か物足りなさを感じる・・・。
ドラマでは、桑原がナポリタンを食べるシーンがしょっちゅう出てくるが(最終話ではナポリタンを出すマスター役が、黒川博行本人だったような気がする)、影響を受け過ぎた私は、桑原の真似をしてナポリタンが食べたくなり、押上にドラマのワンシーンっぽい「純喫茶」なるものを見つけて、わざわざ食べに行ったくらいだ。
因みにこちらが、その「純喫茶マリーナ」のナポリタンで、熱い鉄板の皿に乗っていて冷めなくて、しっかりした味付けで、旨かった。
連れも旨いと言っていたから、ミートソースの方が好きで、滅多に食べないので正しい味は知らないが、正統派だと思えた。
桑原のようにズボンはスーツのそれなのだが、上はヒートテックというオッサンらしい恰好だが。
疫病神シリーズ「破門」「螻蛄」のあらすじ
ドラマ「破門」は、黒川博行の疫病神と破門の原作2部で構成されていて、続編の「螻蛄」は同じく黒川の螻蛄が原作だ。
建設コンサルタント・二宮啓之が、産業廃棄物処理場をめぐるトラブルに巻き込まれた。依頼人の失踪。たび重なる妨害。事件を追う中で見えてきたのは、数十億もの利権に群がる金の亡者たちだ。なりゆきでコンビを組むことになったのは、桑原保彦。だが、二宮の〈相棒〉は、一筋縄でいく男ではなかった――。関西を舞台に、欲望と暴力が蠢く世界を描く、圧倒的長編エンターテインメント!
「わしのケジメは金や。あの爺には金で始末をつけさせる」
映画製作への出資金を持ち逃げされた、ヤクザの桑原と建設コンサルタントの二宮。失踪したプロデューサーを追い、桑原は邪魔なゴロツキを病院送りにするが、なんと相手は本家筋の構成員だった。禁忌を犯した桑原は、組同士の込みあいとなった修羅場で、生き残りを賭けた大勝負に出るが――。
第151回直木賞受賞作にして、エンターテインメント小説の最高峰「疫病神」シリーズ!
信者五百万人を擁する伝法宗慧教寺。その宗宝『懐海聖人絵伝』をめぐるスキャンダルに金の匂いを嗅ぎつけた、相性最悪の二人組、自称建設コンサルタントの二宮とイケイケ経済ヤクザの桑原。巨大宗派の蜜に群がる悪党どもは、腐敗刑事、新宿系極道、怪しい画廊の美人経営者。金満坊主から金を分捕るのは誰か。東京まで出張った最凶コンビの命運は? 人気シリーズ「疫病神」第2弾。
疫病神シリーズ ドラマ「破門」のキャスト
北村一輝:桑原
濱田岳 :二宮
その他、山下リオ、 牧田哲也、 赤井英和、 永澤俊矢、 木下ほうか、 鶴見辰吾
一度ならず、二度三度と見てしまう面白さである。