マクドナルドが実は不動産屋だったって知っていますか?

マクドナルド 投資のヒント
マクドナルド

マクドナルドは不動産屋として巨大化した

「ファウンダー ハンバーガー帝国のヒミツ」という世界No.1の外食チェーン・マクドナルド創業者の劇的な人生に迫る伝記映画を観たのですが、面白かったです。

学生の頃、何かのクイズで読んだことがあるのですが、マックは不動産屋だという答えだったのを憶えていましたが、改めて知りました。

馴染みのあるマックは、飲食店であって、それは間違いないのですが、確かに不動産屋でもあるのです。

映画を観ると分かるのですが、それがどういうことかというのを、時系列を追って説明します。

1955年にユダヤ系のレイ・クロックが、”McDonald’s Systems Inc.”を開業

マクドナルドチェーンの本部はアメリカの会社だというのは誰でも知っていると思いますが、ユダヤ系の行商のクロックが開業しています。

しかし、ハンバーガー屋のマクドナルドの開業は、彼ではなくて、カリフォルニアでマクドナルド兄弟が1940年に行っています。

そうなのです。マックは買収されたのでした。

マクドナルドの店舗を見て、そこで、これはビジネスとしてのチャンスがあると感じるセンスがあるというのが、投資家としての資質です。

一方で、運の要素も大きかったです。

ミルクシェイク用のミキサーの営業でマクドナルドに立ち寄ったのが、きっかけですのでね。

やはり成功には運も必要ということでしょうかね。

そして、これはチャンスがあると思うところまでは、そこそこの人が辿り着くところでしょうが、その可能性を見抜いて、思いを実行に移していく行動力がやはり、その運を活かす力ですよね。

株式投資などをしていて、チャンスと思っても結局買わなかったことよくありますよね。

私は、つい最近、エボファンドの増資が気になって、結局見送った某飲食店銘柄が急上昇して悔しい思いをしました。買っていれば短期間に3桁の儲けが出せていたのに…。たら、れば…。

マクドナルド兄弟とクロックのやりとりが映画では面白く演じられていますが、ウェキペディア/マクドナルドにも詳細が書かれています。

兄弟が被害者のような書かれ方ですが、ハゲタカファンドの買収などアメリカではこういうことが日常茶飯事なのでしょう。

もっとも、兄弟だけの経営でしたら、今、私たちの日常にはマックなかったと言い切れそうです。

クロックは、マクドナルドの回転率の高い効率的な仕組みと、その店名の響きに可能性を感じて、フランチャイズとしてのビジネスの勝負に出たのでした。

クロックの読みは当たったが、創業当時は苦労の連続

映画の中では、マクドナルド兄弟との契約を巡るやりとりや、投資を促す営業での苦労が描かれていますが、結局乗り越えてしまうわけで、兎に角、行動力が凄いなぁと思います。

仕事に打ち込んで、家庭をほったらかしていたからか、離婚していますし、フランチャイズ契約を取ったオーナーの女房と再婚しています。

これもまた、行動力なんでしょうね。

さてさて、クロックの読みどおりで、マクドナルドは、苦労を重ねながらも、行列のできるハンバーガー屋へと拡大していったのでした。

でも、ここまでなら、世界のマクドナルドと呼ばれる巨大企業にまではならなかったでしょう。

ハロルド・”ハリー”・J・ソネボーンが急成長の立役者

映画の中では、資金繰りに奔走しているクロックを銀行で見つけて声をかけて、アドバイスを売り込んだ形で描かれていますが、ソネボーンが提案した不動産業が大儲けに繋がったのでした。

彼の提案したビジネスモデルは、出店予定の土地をクロックが所有し、それをフランチャイジーに貸し出すという方式です。

これが、大成功だったのです。

しかし、これが大成功するには、マクドナルドが飲食店として、フランチャイジーを惹きつけるだけの儲けが出せていたということが、条件と思いますけれどね。

以下は、ウェキペディア/ソネボーンの抜粋です。

フランチャイジーへの不動産の賃貸は、このために設立された「マクドナルド・フランチャイズ・リアルティー」という会社を通して行われた。このビジネスモデル「ソネボーンモデル」は、現在でもマクドナルド社内で採用されている。マクドナルド社が保有する不動産の評価額は、貸借対照表上で377億ドルであり、全資産の約99%を占め、世界での売上の約35%に相当する

1959年、クロックはソネボーンをマクドナルド社の初代社長兼CEOに任命した。1961年、クロックがマクドナルド兄弟から会社を買収する際、その買収資金はソネボーンが調達した。しかし、店舗網の拡大を主張するクロックに対し、ソネボーンは今後経済状況が不況に向かうと考えて、新店舗の建設を差し止めた。1967年、ソネボーンはクロックとの対立が元で社長を辞任し、クロックがその後任に就任した。

また、The Motely Foolには以下のことが、書かれています。

マクドナルドの不動産ビジネスモデルのきっかけは、1950年代に当時のCFOソネボーンがマクドナルドの真の価値は、ハンバーガーではなく不動産にあると認識したことに端を発しています。マクドナルド フランチャイズ リアルティ コーポレーションは、最終的にマクドナルドのコンセプトをフランチャイズ化するために、交通量の多いロードサイドにある安価な不動産を購入することを目的として 1956 年に設立されました。

当初、本部は土地と建物をリースし、その後このパッケージをフランチャイズ加盟者に転貸し、フランチャイズ加盟者はリース料の 40% または売上の 5% のいずれか大きい方を支払いました。このモデルは最終的に次のように変形しました。

土地と建物の両方の法人所有権に相当する不動産に対する抵当権。

フランチャイジーの最初のデポジットは、当初は 950 ドルという低額でしたが、頭金として使用されました。事業を管理するフランチャイズ加盟者を設立した後、理論的には、企業経営者は黙ってロイヤルティと家賃小切手を徴収し、フランチャイズ加盟者が会社の不動産を購入できるようにすることができます。

2015年12月現在、マクドナルドの貸借対照表上の有形固定資産の総額は377億ドルで、同社の総資産の99%強を占めています。

彼の財務モデルの天才的な点は、同社が長期固定金利を使用して不動産に資金を提供し、変動手数料をフランチャイズ加盟者に転嫁したことです。長年にわたって売上と価格が必然的に上昇するにつれて、フランチャイズ加盟者の法人への支払いの割合が売上高に占める割合は膨らみましたが、企業のコストは実質的に横ばいのままでした。このモデルはマクドナルドをキャッシュフローの強大な企業に変え、現在でも同社の屋台骨となっています。

マクドナルド兄弟がマクドナルドというの店名のハンバーガー屋を作ってくれたおかげですし、ソネボーンがこの素晴らしいアイデアを提案してくれたおかですので、クロックもこの三人にはもっと感謝して、手当してあげてもいいんじゃない?とも思いますが、クロックが居なければ、世界のマクドナルドコーポレーションは存在していなかったので、三人がもっとクロックに感謝してもいいじゃない?という見方もできるかもしれません。

考えることと、行動することと、先行者利益を押さえることが、投資やビジネスにとっては大きなアドバンテージになるというのを改めて認識しますし、エンタメとしても面白い映画でした。

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