ホーチミンの空港で乗ったタクシーでぼったくられる
私が初めて訪れたのは、かれこれ10年近く前のことですが、ぼったくりのタクシーに乗って、危ない想いをしたのがベトナム交通事情への第一印象です。
日系の飛行機だったのですが、到着時間は真夜中という不便な時間しかなかったのでした。
私は声をかけてきた所謂白タクに乗ってしまったのです。
証明書みたいなものをライセンスと称して見せてきて、すっかり信じてしまったのです。
初対面相手でも不信感を抱かせない声かけの技術は、ナンパ師を目指す日本の未来を担う若者にも勉強してもらいたいものです。
昔池袋駅や新宿駅で何度も手相の勉強させてほしいと初対面の人に声をかけられたのに、悩みがないわけでもないのに一度も手相を見せについて行ったことのない(手相を見ながら不安を煽り、印鑑や壷を高値で買わせるのが目的です)他人を疑ってばかりの私でした。
そんな私が信じたのには理由もありまして、詐欺師の言い値が、事前に調べておいた市内までのタクシー代の平均に近い数字だったので、安心していたのです。
少し安くて、その時はラッキーとさえ思っていたかもしれません。
ですが、なんと、一桁違っていたのでした。
不安になってきて、ガイドブックをタクシーの中で開いて気が付きました。思い込みって怖いですよね~。
ベトナムの貨幣ドンはやたらと桁が大きくて、慣れていない私は勘違いしたのだと思います。因みに1,000円=206,000ドンくらいだったりします。
これが日本だったら、相場が8000円で当然そんなものと思っていたところが、80000円取られるようなものですからね。
黙って引き下がれませんよね。
私は日本ではなくて言葉の通じない異国ベトナムでしたが、黙っていられませんでした。
一度払った金を返せという交渉に乗り出しました。
提示されたぼったくりの金額払わないよりも難易度が高いですよこれは。
金に余裕がなかったので、私は引かなかった(引けなかった)ですが、内心はかなりビビッていました。
異国の地、深夜0時過ぎ、真っ暗の、真夜中ですので…。
ホテルまでは行かず市内の何処かで降りました(降ろされたのだったか!?)。幾ら戻ってきたのか詳細までは憶えていませんが、相場よりは高かったけれど、諦めのつく程度の被害額までに抑えることは出来ました。
金を返せと言ってからは、ヤバかったですね。
何言っているか知らないが、ベトナム語で怒鳴り散らして、私の目の前のダッシュボードを拳で何度も殴りつけてきました。
「おれは日本のヤクザだなめんじゃねえぞこらぁ」追い詰められた私は凄みを利かせてそんなようなことを言ったと思います。
「ヤクザ」と言ったのだけは憶えてるんですね~。私はヤクザ映画は好きでも、実物のヤクザは大嫌いですがw
そう言っておきながら「アイ コール ポリス」とも言っていました。
英語が通じないのは分りましたが、ポリスくらい分るだろうということと、ジャパニーズヤクザは凶暴でマフィア並に世界に知れ渡っていて、脅しになるかなぁと思ったのであります。
英語が分らないのに日本語が分るはずもないのですが。
兎に角必死です。金を取り戻さなくては遊ぶ金がなくなってしまうのです。弱気を見せて、雰囲気に飲まれたら負けと思いましたのでね。
今も昔も虚勢で勝負です。
読者の皆さんには、タクシー乗り場から個人タクシー以外のタクシーに乗車することを強くオススメします。
それだって、100%安心ではないですが、私はマニラの空港でタクシー乗り場から乗って、偽造メーターでぼったくられたことがあります。
いずれにせよ、出来る範囲で危険は、事前に取り除くべきです。
深夜の到着で、焦っていたのと、眠かったのが軽率な判断の原因と思います。
眠いときって本当に間違った判断をしがちです。
会社で上司相手にやっちまったり、株や先物のトレードなどでやっちまったりした時も、後で振り返ると寝不足だったとかよくあることですよね。
いずれにせよ、私はなんとか乗り切りましたが、紙一重だったかもしれません。
運転手が半グレ集団の一味で、真夜中にアジトに連れ込まれたら身包みはがされるのがオチでしょうからね。
そうなったら、数千円の損失を諦めなかったことを後悔したでしょうね。
同じようなことは株や先物のトレードでもありますが、その場合は数千円は即断で諦めた方がいいでしょうね。
数千円に対する損失回避バイアスが起点で、後々、数十万、数百万、数千万円と剥ぎ取られることもありますのでね。
経験者は語るっていうやつですがw
どこの市場にもワルは潜んでいるのですが、株式市場は戦場です。おっと、話が脱線しそうなので、交通事情に戻しましょう。
そのとき以外でベトナムでぼったくられたことはありません。メーターの下の桁を切り上げて請求してくる運転手はいましたが。どっちみち、言われなくてもチップとして渡すのですけれどね。
タクシー代の相場
参考までに、空港からベンタイン市場周辺までの料金は150000~160000ドンくらいです。
800円しないくらいです。
800円だと思っていたら8,000円払ってしまったと分ったときは冷や汗かきました。
タクシーは会社ごとに料金は異なりますが、初乗り10000ドン 15000ドン/1Km が相場です。
因みに、私が乗った白タクはメーターはついていませんでした。
ホーチミン市内での移動は、徒歩以外では、タクシーかバイクタクシーになると思います。
私は長めの距離の移動でバスに乗りましたが、事前に乗り方等を調べておいた区間だけでした。
ベトナム語を知らない人のバス利用は難しいと思います。
バイクタクシーに乗るときは事前に値段を確認しますが、タクシーも長距離でしたら先に料金目安を聞いて安全を確保しておいた方がいいと思います。
バイクタクシーで注意すること
バイクタクシーは、近距離の移動に便利だからベトナムでは結構使いましたが、危ないのは確かです。
ぼったくられたとしても、痛みはしれているでしょうが、事故に遭ったらどうしましょう。万一転んだときの補償問題とか、賠償金なんてアテにならないと思います。
それでも乗ろうと思う人に対してのアドバイスですが、転げ落ちないようにしっかりとつかまったほうがいいと思います。
私は単車の免許はあるので、若い頃後ろに乗っけた女の人に抱きつかれてまんざらでもない気分を味わったことはありますが、自分が後ろに乗った経験はほとんどありません。
ケツの後ろの取っ手を掴むほうが、オッサンに抱きつくより気分がいいに決まってるのですが、初めはそうしたのですが、やっぱり怖くて、意を決して、私は男に抱きつきました。
爺さんから若いイケメンまで、色んな男に抱きつきました…。
私の命はあなたに預けたのよ。
万一振り落とされたときのダメージを考えれば、無様な格好するくらいのことは安い保険ではないでしょうか。ねえ、そうですよね?
それと、バイクタクシーはメーター制ではないので、利用する前にしっかりと値段を確認しておくことが大事です。
勤め先での上司との水掛け論より真実が最後に通じる可能性は高いかもしれませんが、言った言わないの揉め事は、会社でも家庭でもホーチミンでも疲れますからね。
コロナが納まって、ホーチミンを旅行できる日が早々に訪れることを祈っております。
旅行者の方はくれぐれも、バイクから転げ落ちず、横断歩道を渡るときにはバイクに轢かれないようにお気をつけください。
関連記事