株式市場に飛び込んできたばかりの初心者は、知らないことが沢山あるのが普通でしょう。
しかしながら、どの本を読んで勉強したらいいかと悩むこともあるかと思います。
記事を書くにあたって、「株 本 初心者」でググってみると、ピンクの表紙だとか、ジャニーズのそれも十代の連中が着そうな舞台衣装のようなカバーを纏ったチャラチャラしているのが多いこと。
かんたん。稼げる。やさしい。
冗談じゃないよ。何故株式市場で、個人投機家(投資家)の9割程度が負けているのか!?
たしかに、下手でも運に恵まれて一財産築いてしまうことはあります。
そういう人にとっては簡単に稼げる優しい副業になるのでしょうが、一度痛い目を見てきた出直し組のみんなは、株式市場の真実を知っていると思います。
難しい。損する。苦しい。
大抵の初心者向けのおススメで紹介されているチャートの本を私も初心者の頃に読みました。
しかし、読まなければよかったと思いました。
書いてある内容が悪いということではなくて、私の経験値が低かったので、買いサインや売りサインとして紹介されていたチャートのテクニカル指標でポジションを取った後で、反対方向に動いてもアンカリング効果で対処できなかったからです。
出直し組は痛いほどわかるでしょうが、チャートの教科書通りに動かないことが山ほどあしますし、チャートの教科書を勉強してきたばかりのほやほやの素人を狩りにくるダマシも横行しているのが株式市場の実態です。
「需給」や「地合い」「メンタル」が、ファンダメンタルズやテクニカル以上に影響を与えることも往々にしてあります。
テクニカルを勉強するのはいいことだと思うのですが、経験が浅いうちは「決めつけ」にだけは気を付けてほしいと思います。
私が経験して痛感したのは、テクニカルより以前に「資金管理」と「自己管理」をしっかりと覚えることの方が重要だということでした。
そういった経験を踏まえて、しっかりと勉強しようと思われている硬派な人向けに、役立ちそうな本を紹介します。
高速取引・AI・アルゴのやっかいな値動きに負けない
2023年2月発売の最新の本です
昨今の値動きやチャートに違和感を覚えていたのですが、特に日経225先物に絞って相場を見るようになってから強くなっていましたが、その疑問を解消してくれる解説があって、読んでよかったなぁと思いましたので、追加しました。
AIが主体となった今のHFT株式市場では、超短期の目先の利益を追求して感情のないAIが値を動かすので、過去に通用したテクニカル指標が通用しなくなってきているのかもしれませんね。
新・マーケットの魔術師
私は「旧」マーケットの魔術師も読みましたが、「新」も面白いですよ。
面白いから、英語の勉強も兼ねて原文も読みました。
面白いのですが、字が小さいので、老眼が入ってからでは辛いかもです。
若い内に読んでおきましょう。
この本は現代市場ではなくて、昔の市場を舞台にした話ですが、当時著名だったトレーダーの話をインタビュー形式で書いてあり、読み応えがあります。
昔の市場と言えば、ジェシー・リバモアの22の名言【 原文、和訳、解説 】に伝説の投機家の教えをまとめてみましたので、興味のある人はどうぞ。
私はこの本から資金管理とメンタルの重要性を学び取りました。
初心者から一回りして苦い経験を重ねた後で、テクニカル以上に自身のメンタルが影響を及ぼすことが大きいと実感しました。
だから、この「株の負け方」シリーズを起こし、認知バイアスについての記事を書いたのです。
みんなには、他人の経験に学び、私のように辛い思いを経験してほしくないですからね。
思考のトラップ 脳があなたをダマす48のやり方
超良本です。
この本を偶然本屋で見つけて私は運が良かったと思います。
なんせ、株のコーナーではなくて、医療のコーナーで発見しましたので。
出直し組のみんなは、「何故、あの時、あんなことしてしまったのか?」「何故、あの時、ああしておかなかったのだろうか?」と悔やんだこともあるのではないでしょうか。
これを読むと理由が分かるんですね~。
株式市場でのトレードに限らず、生活全般でも役に立つ心理的なバイアスについて分かり易く、広範囲に書かれています。
投資の正しい考え方
この本は歴史上の出来事を例にとって、それぞれの局面での戦い方や考え方を教えてくれます。
守備が投資では重要だといことを改めて認識させられます。
それはつまり、資金管理が大切だということですね。
ニュースや雑誌などは、推奨銘柄は紹介していても、今は買うなという守備よりの話は比較的少ないので、守備や撤退について気づくことも多いのではないでしょうか。
投資と金融にまつわる12の致命的な誤解について
初心者が知らないことを沢山教えてくれます。
そして、初心者が初心者向けのやさしい教科書を読んで勉強したがゆえに、思い込んでしまったアンカーが間違っていたと気づかせてくれたりもします。
株に限らず金融マーケットについて、初心者のうちは理解が及ばないことを新しく知る機会になるではないでしょうか。
株式・債券・為替からリスク管理まで、全ての金融商品に精通するデリバティブのプロが、「なぜ、投資で勝つことは難しいのか?」「なぜ、金融を理解するのは難しいのか?」という根本的な疑問に答えながら「金融市場の全体像」を示していく、まったく新しい形の投資と金融のガイドブック。と、宣伝文句が書かれていますが、初心者だった私は、初めて知ることが結構あり役立ちました。
人工知能が金融を支配する日
現代において、金融市場でどういうことが起きているのか?
みんなが戦っている画面の向こうの見えざる大口の敵はどんな戦略をとっているのか?
初心者の教科書で学ぶローソク足とかチャートとかが、果たしてロボット相手の現代市場でも通用するテクニカルなのだろうか?
そういったことに気が付く為の一助になると思います。
私の財産告白
ラクして儲けようとして失敗した人。
手っ取り早くデイトレで儲けようとして失敗した人。
リバレッジかけすぎて失敗した人。
地に足つけて、もう一度ここから、地道に財産を築いていきましょう。
出来ると信じて。