個人投資家がカモられるのはなぜ?
私は長年カモにされていたことに気が付いた(薄々気が付いてはいたが完全に認めた)ので、掘り下げてみようと思う。
渦中にいるときは本人は認めたがらないないのだが、短期売買を繰り返している連中は、ほぼ全員がカモである。
勝っても負けても機関のカモとなる。
勝てばドーパミンが忘れられなくて、勝ち逃げは出来ないでまた手を出す。
負ければ損失回避バイアスが邪魔して、取り返そうとまた手を出す。
結局、カモられるまでやり続けるのさ。
あの伝説的なデイトレーダーのBNFも、未だにジェイコムの一件で有名になった当事と同じ熱量、取引量で、続けていたらカモられていただろう。
私は当人とは赤の他人なので、推測だが、自信がある。
あの頃のやり方はもはや通じないのだ。
去年通じた必勝パターンが今年は通じなくなる。そんなことは普通のことだ。
短期売買での短時間でも通じなくなっていたりする。ついさっきの値動きの残像が、目の前の罠に向かってカモられに行くことを促したりする。そして今度は逆へと振り回されるのだ。
BNFは自分で言っていたが、株中毒者だったのは間違いあるまい。でも、今はもう卒業しているのではないかと思う。安全重視の投資寄りの取引に変わっていると思うのである。
もっとも、彼は並みの依存症野郎ではなかったが。秋葉原駅前の一等地のどでかいビルを一棟買いしたりできる異次元レベルの個人だった。
自称株オタクのBNFの動画を上げておく。
秒単位で億単位の金額を動かす仕事中に邪魔しておいて、ナレーションが失礼だし、スタジオのリテラシーのない連中のコメントも低レベルなのだが、逆に言うと、今のようなネット社会ではなくて、社会の認知がその程度であった時代だったからこそ、BNFがのし上がる余地もあったとも言えるのかもしれない。
時代は変わる
当時のBNFは機関投資家達をカモっていたわけだ。
あの頃はま未だ、ほとんどの売買は人が行っていた。
しかし今の時代、機関投資家(ヘッジファンド、証券会社の自己も含む)は、AIやアルゴによる自動売買がほとんどだ。
昔のファンドや証券自己のディーラールームの映像を見たことがあるが、体育会系のノリで戦っている感じだが、その頃と比べるとディーラーの人数は激減し、今は静かだそうだ。
ファンドは今や、理系の博士のようなのをディーラーとして雇うのだ。
超高額の報酬を用意して。
正しく言うと、ディーラーの仕事をするAIやアルゴリズムを設計する技術者だが。
アメリカ帰りの元ファンドマネージャーを売りにしている曲がり屋ユーチューバーがいるが、あれはカモだったと思う。
今、専業トレーダーとして短期売買をしていたとしたら、ユーチューバーの収益がなければとっくに破産しているだろう。
心のないコンピューターがほとんど自動で売買をしているのが、現代の株式市場での短期売買における主な機関の戦い方だ。
コンピューターの取引には人間のメンタルでの障壁となるバイアスという邪魔は一切介入しない。
感情に振り回される人間をカモるのは案外簡単そうだ。
今も昔も心理戦ということに変わりはないかもしれないが、昔は仕掛ける方も人だったが、今はコンピューターがそれをやっているわけで、心理戦では勝ち目はなさそうだ。
HFTの登場で、スキャルピングは難しくなった
High frequency trading (超高速トレード)の登場で個人はますます短期売買の戦場では不利になった。
スピードではアルゴには勝てないが、人対人でも弱小個人は機関のツールを使っている連中にはスピード勝負では勝ち目はない。
個人が最高級のPCを用意しても、アローヘッドの中の連中には勝ち目がないのだ。
東証とコロケーションの契約をしている個人もいるのかもしれないが、そんな奴は個人とは言わない。大口と言うのが適切だ。
BNFも大口だが、彼は個人をカモっていなくて、機関をカモる個人というのが良かった。もっとも、個人のカモを喰いながら機関のカモを喰えるまで大きく成長したのだろうが。
アルゴの棲む世界
1日の取引が数万株程度の銘柄にもアルゴは棲みついている。
板に並ぶと即座に邪魔が入ったり、買った途端に下がったり、空売った途端に上がったり、よくあることだ。
それと見せ板。
分かっていても、騙されてしまう。
逆に振られても持ち続けていられるのは、損切ができないか、長期目線の個人ということになりそうだ。
賑わっている銘柄はもっと顕著で、N先物なんか、揺さぶりや誘いに本当に乗ってしまう。
ハイレバだから損切りせざるを得ないから尚更だ。口座に金のない状態でデイトレをしているつもりで、チャート、板を見ていたが、今このタイミングで仕掛けたいというところで入ると、大抵カモられることになっていた。
私が思うようなことをたぶん多くの個人トレーダーは思っていたと思うし、実際やっている連中は仕掛けていたことだろう。
アルゴは過去の膨大なデータから、こういう値動きをすると個人がどう動くかという情報を持っているから強い。
カモを集めては狩りに行く。
逆指値狩り、追証狩り、ふるい落とし、といろいろやってくる。


証券自己は個人の手の内を把握している
証券自己は客である個人トレーダーをカモれる環境にいる。
中の連中は買い注文が入ったときに、それが、現物なのか、空売りの買戻しなのか、分かっているだろう。控えめに言っても、自社で口座を開いている客のトレードの注文は把握できるのは当然なわけで。
特に優位だと思うのは、空売りの状況を掴んでいることだ。
私はストップ高に貼り付けられるのが怖くて、急騰銘柄で空売るのは躊躇するのだが、彼らは個人の売買動向を見て、ロングをカモる売りを入れるか、踏み上げるか決められる側にいると思える。
圧倒的に個人は不利な立場にいることを理解しなくてはいけない。
アルゴを使わない人相手でもカモになる。
情弱の個人はカモられる。
インサイダー取引は違法とされているが、機関がインサイダーで儲けるのは日常茶飯事のことだ。
「短期」「ハイレバ」「待てない」トレーダーは優良なカモ
大抵は殺される。
たとえ上手いことカモる側の仕掛けに乗じて利益を得られたとしても、繰り返せば必ずカモられるときがやってくる。
俗に言うコツコツどかんだ。
勝っても負けても機関のカモとなる。
もう一度言おう。
勝てばドーパミンが忘れられなくて、勝ち逃げは出来ないでまた手を出す。
負ければ損失回避バイアスが邪魔して、取り返そうとまた手を出す。
その結果必ず罠にハマる。
カモになる。
資金、メンタルに余裕がなければ、逃げ切れない。カモられるしかない。
感情をシャットダウンできる個人はほぼいないと思う。
短期売買で勝ちきっている個人もいるが、ごく僅か。
おれも出来ると思うのは自信過剰というものだ。
おれもそうだったが・・・。
日経先物で13万円損切かなぁ、久しぶりにやらかした に書いたようなことやっていると、簡単にカモられてしまう。
自信過剰バイアス
自信過剰バイアスに初めは気が付かないものだ。だからバイアスなのさ。
わざわざ探してこの記事を読んでいる人は、恐らく苦い経験を既にしている人だろうな。何も知らない素人こそ知っておくべきことだろうが、素人だからこそそんなことは考えもしない。
短期売買を数年続けてトータルで儲けを出すのは、例えるなら個人のラーメン屋で、ほとんど毎日行列を作れる店を経営するくらいの難しさだろう。
新規出店の個人のラーメン屋はほとんどが数年で廃業している。
ゼロサムゲームの短期トレードで個人が生き残る割合も、ラーメン屋のそれと同じようなものなのだ。
それくらいに厳しい世界なのに、今ある仕事を退職して、ラーメン屋を開業するときの覚悟と同様の心構えで、株式売買や先物FXのトレードの戦いの場に出ている弱小個人はほとんどいないと思われる。
自分が初めて東証カジノに足を踏み入れたときの気持ちを振り返ると、その軽さに唖然とする。
自信満々でやってきた素人個人たちは一部の例外を除いてカモになる。 損失回避バイアスやサンクコストの呪縛にやられて、損切りが出来ず大きく資産を減らす。
初めは長期目線だった人も、負けるとバイアスの影響で、取り返そうとして短期売買に手を出す。
そして罠にかかる。
カモられる。
俗にいう9割の個人投資家は負けるというのは、当然といえば当然なのかもしれない。
戦っている相手の強さを知らなさすぎる
みんなだって、プロボクサー相手に戦う為にリングには上がらないだろうに。
例え無名のボクサーだとしても現役でプロのリングで稼いでいる相手であれば、戦わずに逃げるだろう。
まして世界チャンピオン相手なんて考えるまでもないだろう。
スポーツジムで鍛えていて、並のオッサン連中よりは強いと思っていても、プロには勝てんだろうなぁ。
短期トレードの株の売買の世界のリングにみんなはいとも簡単に上がっているけれど、実はみんなは、ボクサーに例えるならば、世界チャンピオンクラスの実力の持主と戦っているのかもしれない。
あなたには、チカチカしているデジタル表示の数字しか見えていないだけで。
では、どうやったらカモを回避できるのか?
それは、また別の記事で検証していければと思う。
追記、
実際にカモられてしまったので、以下の記事を検証としてもらえればと。
デイトレは勝てない!封印したデイトレを再開したら最悪な結果になった
他人のケースだが、この人もきっとカモられているのだろう。
もんちゃんの株日記|優秀作品ベスト7!負けを金に換える男の涙
