石橋を叩いて渡るほうが、リスクを回避できて、好結果を出せることも往々にしてあると思います。
でも、ビジネスや投資などの競争社会では、ライバルに先を越されて、機会を逃してしまうという欠点もあります。
伝説の投機家ジョージソロスは、投資ををしてから調査をしていました。
つまり、走りながら考えるタイプでした。
短絡的で、浅慮な決定は、失敗に繋がることが多いと思います。
自分を振り返ると…。
ですので、私の場合は石橋を叩いて渡るくらいの気持ちで、大きな賭けに出るときは対処するように自分自身に働きかけていますが、世界の大富豪まで上り詰めた伝説の投機家ジョージソロスは、走りながら考えるタイプだったということです。
走りながら考えるタイプでないと、先行者利益は享受できない
ジョージソロスの名言「まずは生き残れ」はこうして生まれた!この記事で、ソロスの名言「先ずは生き残れ、それから金を稼げ」について深堀しましたが、ソロスの手法とはどんなものだったかを探っていきたいと思います。
前の記事に引き続き、早川書房「ソロス」に書かれていることなどを根拠として、まとめていきます。
走りながら考えるタイプとは、事前の調査や準備もせずに突っ走る人のことを浅慮だと揶揄して言うケースもあるでしょうが、こうだと思ったら、どうしようどうしようといつまでも考えてないで、とりあえずやってみるという行動力のあるタイプのことです。
とりあえずやってみる。
仮説の段階で、実証までされていないけれど、リスクを取って、前に進めて、様子を見ながら試行錯誤しながら大きく育てていくというイメージです。
とりあえずやったことが、無駄になるリスクはありますが、検証に時間をかけている分も上手く行ったときは前に進めて、先行者の利益を取れるというメリットがあります。
売れるかどうかは分からないけれど、とりあえず新商品を試してみるか?と完全な仕上がりまでとはいかないけれど、実際売ってみる。
様子を見てダメだったら、それは損失となるけれど、実際にやってみないと、結果は分からないわけですからね。
リアクションが良ければ、追加投資をして、大きく稼ごうというところです。
近年の例だとタピオカでしょうか。
仕掛け人以外は、先ずは投資してそれから調査するくらいのスピード感がないと、商売になりませんでしたね。
ヒット商品のサイクルは短いので、じっくり調査してから打って出るようでは、美味しいところは他所に持っていかれてしまいます。
投機の世界も同じですよね。速いですから。
金融市場におけるトレードの手法で言えば、「試し玉」でしょうか。
金額を抑えて、とりあえず様子見で買ってみると、イメージどおりにその後の株価が動きそうだったら、当初予定していただけの金額をぶっこんで、大きく稼ぐ。
ダメなら損切になるけれど、ロットを抑えているだけに損失も限定されるというところです。
試し玉は、走りながら考えるときのコツです。
中国人には良くも悪くも走りながら考えるタイプが多い
私の友人に中国人がいますが、その人にはいろんなジャンルの商売人の知人がいますので話を聞く機会もありましたが、彼らはこのタイプが多いです。
華僑が世界中で商売を広げてきた理由の一つでもあると思うのです。
中国は意思決定から実行までが早いですよね。
パクるのも本当に早いでしょう。
対して日本は、お伺いを立てるのに時間がかかるので、置いて行かれるケースが多かったように思います。
モノづくりは上手なのですが、商売で後れを取るといいますか。
昔は家電とか電化製品なんて、世界のトップランナーだったんですけれどね。
あっという間に追い抜かれてしまいました。
コロナの初期に異様にマスクが高く売れたときの、マスクの買い占めと転売ですが、最初に買いに走ったのは中国人が多かったですよね。
批判的な見方が多かったですが、初期の時点ではルールの中での商売であって、先手必勝でしたね。
卸のルートで普通の商売人が買える頃になって仕入れたクチは、株で言えば、高値掴みでした。
最も高値掴みをしたのは、安倍さんではなかったでしょうかね?
しかも、血税で買ったという。
意図的に高値掴みをしたという噂もありますが。
アベノマスクつけている人なんて、滅多に見ませんでした。
無駄にした税金は、何百億円?廃棄費用に何億円?
個人事業主でしたら全力投球どころではない大金突っ込んでも、税金ですから、本人の懐は一切痛みませんが。
中国人の転売ヤーの批判は沢山出ましたが、国民に与えたマスク絡みの損害の大きさは、一国の総理のほうが遥かに大きくて、彼らとは比較になりませんよ。
文字通り桁違いでした。
ほんと、大衆心理って怖いですよね。
でもね。あれですよ。ソロスとか超一流の投機家や投資家は、この大衆心理を上手く利用して、そこに生じたギャップから金を引き出してきているのですよ!
何マスクですかコレ!?
それにしても、政治屋ってのは、嘘つきが多いですよ。
仕手株の煽り屋としていることは、これでは同じじゃないですか。
一生涯アベノマスクをし続けるのであれば、愚策もあったが、外交とか頑張っていたようだし、筋の一本通ったところもある政治家だったと記憶に残るってものです。
このザマでは、「国民の皆様の為に」が、軽薄に聞こえます。
さて、ソロスの写真でなくて、阿部さんの写真を使ったので、検索エンジンに評価されないかもしれませんが、ソロスの手法に話を戻します。
ソロスの手法の基本は、「投資をしてから調査する」スタンス
早川書房「ソロス」の中で、このような一節があります。
著者が、不注意にもアーンホールド&Sブライヒローダー証券会社のロバートミラーに、ソロスが金儲けできるのは、巨額の資金を賭ける勇気のためではないかというと、ミラーは不機嫌そうにこう答えた。
「それは違う。ソロスが投機に踏み切るのは、環境が整ったと考えた時だけだ。彼は投機をギャンブルとは考えていない。彼にとって投機とは、経済的シナリオに従うことなのだ」
アンダーラインを引いたところは、投資投機やビジネスで勝つヒントです。
ジェシー・リバモアの22の名言【 原文、和訳、解説 】に書いた彼の至極の名言からも度々読み取れることです。
しかし、一見このようなスタンスだと、石橋を叩いて渡るであって、走りながら考えるタイプとは思えないのですが、読み進めていきますと書いてあります。
みなさんの投資やビジネスのヒントが読み取れそうなところをピックアップしましょう。
ソロスには知力がある
一つの株、一つの業績グループ、一つの取引品目を追いかけるのに精一杯なものが多いのに対して、ソロスは世界的な取引に関する複雑なシナリオを読むことに、いつも没頭している。
ソロスは他の投資家とは違い、世界の金融界の指導者の公的発言や決定から発せられるトレンドや動きやリズムなどを読み取っている。
ソロスが誰よりも深く理解していることは、世界経済における因果関係である。
ソロスにはガッツがある
超大金を投資するときの、ソロスの冷静な態度を説明するのには、この言葉しかないだろう。彼自身は、「勇気がある」ことは否定するだろう。
何故なら、彼は投機の秘訣はサバイバル技術にあると明言しているからだ。
それに、その技術を知ることは、時としてゲームを保守的に進めることを意味する。必要に応じて損失を削り、資産の大部分を投資に回さずに常に確保しておくことである。ソロスはよくこう話している。
「うまく運んでいないとき、最初にすべきことは、投資額を減らすことだ。損失をとりかえそうとしてはならない。投資を再開するときは、少額で始めるのだ」
ソロスはストイック
ソロスの実用的な要素の一つは、自らの感情を金融市場でのトレードから切り離すことのできる能力である。
冷静で平然とした態度を保つことができる投資家は稀だという。「ジョージは自分が間違えたことを悟ると、すぐさまオリる。「正しいのは俺で、間違っているのは連中だ」などとは絶対に言わない。彼は「私は間違えた」と言ってすぐオリる。何故なら、間違ったポジションでいたら、あっという間に破滅してしまうからだ。この商売には普通以上の規律と自信が必要だ。そして基本的には冷徹でなければならない」
ソロスは本能的な直感がある
「投資をする際、私はほとんどの場合、仮説を立て、それを市場でテストすることにする。空売りをしようとしている時に市場が動きはじめると、私はとてもナーバスになる。腰が痛み始めるが、うまくいけば、あっという間に腰痛は消え去ってしまう。気分がよくなる。そこで本能が必要となってくる」
モルガンスタンレーのバイロンウィーンはソロスの投機の手法について、このように要約している。
「彼の天才的なところは、ある種の規律を見につけていることだ。彼は市場を極めて現実的に見つめ、株価に影響を与える要因を理解することができる。市場には論理的な側面と非論理的な側面があることを理解している。彼は、常に自分が正しいとは思っていない。正しいと信じた時は、機会を逃さず積極果敢に攻め、間違っている時には損失を減らそうとする。自分が正しいと確信した時、彼はすさまじい信念を持つ。1992年のポンド危機の時がまさにそうだった」
走りながら考えるのは、勝つ為に必要なスタンス。だが、確信を持てるまでは、投資は控えめにしておくことが肝要。
走りながら考えるタイプは、積極果敢にリスクを取って、大胆賭けに出るようなイメージかもしれませんが、打って出た後で、その仮説が外れたときに、躊躇わずにロスカットして撤退することがジョージソロスにはできるようですね。
投資、投機、ビジネスを自分の金でやったことがある人は、それが如何に難しいことか分かるのではないでしょうか。
参考記事
兎に角、ジョージソロスは、守備をきちんと固めていますよね。
最終的にはどえらい大金を投下して勝負をしていても、初めは試し玉を入れて様子を見ているようです。
ソロスは現役バリバリの頃、1日で2つの国のトップと会食をするような人物で、トッププレーヤーでも触れることのできない一次情報に触れることが出来ていた人物です。
個人投資家が決して得られるようなことのない貴重な情報です。
そんなソロスだからこそ、投資をしてから調査をできたのかもしれませんが、大胆不敵なイメージのあるソロスですが、実際のシノギでは、守備を固めていました。
試し玉を入れて感触を掴むようにしていましたし、ダメだと思ったら間違いを認めて、素早く損切していました。
だから、生き残れてきたのです。
「走りながら考える」「先ずは投資してそれから調査する」といったスタンスは、サイクルの速くなってきた現代社会において、競争を勝ち抜くうえで、優位に立つためには必要だと思います。
しかし、くれぐれも、最初から大きく投資しないように。
頭で分かっていても、それができないのがデイトレードでしたので、私は辞めましたけれどね。